Cantina suzuki
札幌市中央区南2条西3丁目カタオカビルB1F
TEL 011−222−3026

■イタリア旅行記2006A■

翌日10月27日はトリノ市内へ。


初めてグリッシィーニを作ったパン屋さん
その後トリノ泊なのだが、スローフード協会の2年に一度の「サローネ・デル・グスト」が 目的なので、市内見物と市内の位置関係をまず確認。
8年前にアルバへの移動の途中にトリノの中心部でお菓子を食べた記憶があるが、その広場が想い出せない。
昨年、トリノの冬季オリンピックが終わった後の4月、札幌の友人が仕事でトリノへ撮影機材を持って行った時に、バスを降りたとたん、4〜5人位のグループに囲まれて、撮影機材やパソコンや財布を強奪されたと聞いていたので慎重になる。 (彼らは撮影機材だけは3人がかりで必死で取り返したとのこと)
なるべく、市内の移動はタクシーを使うことにする。 とは言いながらもまずは市内を散策。

やはり、お菓子の街なので、お菓子屋さんをハシゴ。

         ここトリノでもMCは若者で賑わっている。

トリノでのランチは、セルフサービスの店に入ってみるが、調味料に醤油もあって驚き。

今日はトリノの市街地を大体歩き、ホテルと駅の位置を確認。
アスティへ戻り、ディナーは昨夜のワインバーで食事。
今晩は昨夜と違う小さな造り手のBarbera d’Astiを。
ニョッキ(ほうれん草とリコッタチーズ)
チンギャーレ(猪)の生ハム
豆のスープ
甘口のモスカート・ダスティをデザート代わりにで軽めの夕食を。


10月28日 トリノへ移動「サローネ・デル・グスト」へ

ASTI駅まで近いのだが、荷物があるので、ホテルでタクシーを呼んでもらう。
運転手に何処まで行くんだと聞かれ、トリノと答えると「トリノまで車でどうだ?」
イタリアのタクシーの常套文句です。
しかし、昔シチリアのカタ−ニャからタオルミーナへ移動する時、同じことを言われ、断ったのだが結果的にタクシーで移動した方が早く・安くついたとの経験から、一応協議する。
4人で移動するので、多少は料金はかかるけど、今回は運転手の提案にのることに。

運転手も気を良くし、おしゃべりを始める。
今回、アスティで良いレストランがあったが、初日2日目と星付きのレストランに行ったので、あえて軽めの店を選んだのだが、運転手は昨夜食事に行き、やはりこの辺では一番良い店だよと。
残念だが今回はあきらめて、次回に期待しよう。

話をしてるうちに、日本人のN氏を良く乗せて、友人だという。
N氏は我々も札幌でもお会いし、ASTIでご活躍されていることは知っていたが、世界は 狭いですね。
トリノまで楽な移動で、ホテルをチェックインして、リンゴットの「サローネ・デル・グスト」へ出陣です。

「サローネ・デル・グスト」とは、スローフード協会が主催する2年に1度行なわれる、 「味のサロン」と訳される、一種の食の見本市のようなものです。 ただ、そこには大手ではなく、小さな優秀な生産者がイタリアだけではなく、世界中から ワゴンに出店しています。
今回はアフリカからも出店。
小さな生産者ですので、協会で旅費も支給しているようです。
また、講座・講習・が毎日あり、他の地区での食事等も企画されています。
日本からは「吉兆」も。(120Eur)

会場付近まで行くと、大渋滞。 会場に着くと、また凄い人。
この会場は、フィアットの工場跡。
入場するまで1時間程かかる。
イタリア人がこんなに辛抱強く並ぶとは思いませんでした。
やっと入場してもすごい人。

東京・杉並スローフード協会のB氏と会場でお会いしましょう等と メールのやり取りをしていたが、この人混みでは出会う確立は無いだろうと確信。
最初のブースは、日本から築地の寿司店が出店していて、寿司ブームもあり行列が。



名古屋のブースもあり、冷茶のサービスを。
   

チーズ 肉類 広告のブース。絶滅の危機に瀕している作物のブース。
とにかく人も多いが、ブースの数も凄い。 最低2日は必要かと。

まずは、ランチをエノテカのブースで。
4EUR払ってグラスと2EUR分のチケットとワインリストを受け取る。
(2EURはグラス代です)
ワインはシャンパーニュ・スプマンテが144種類,白ワインが473種、ロゼが11種、赤が1160種デザートワインが181種、全種類1973種類と言う、膨大なワインです。
チリ・オーストリア・ドイツ・アルゼンチン・ブルガリア・フランス・イスラエル・スペイン・ポルトガル・メキシコ・ハンガリー・レバノン・オーストラリアそしてイタリア。
90%はイタリアワインですが、皆応援で協賛していることは価格で分かります。

  

しかしテーブルは空いていても椅子が足りない。
人数分の椅子を確保するのに40分かかる。 ワインは1〜4EUR。
チケットは2Eurしかないので3・4Eurのワインを求めたり、食事を頼むにはチケットを買い足さないといけないのだが、チケット売り場でチケットが足りなくなり、チケットが届くのにまた40分かかり、スタッフも大変。
入り口を見ると、人・人・人・・・・。
入場制限をしていて、入り口に凄い行列が出来ている。

 

ワインを選ぶにも人が多くて大変。
ただ、この価格でこんなワインが飲めるのか!と言うワインも多数あり、 目移りするし、ワクワクもします。

食後改めてブース巡り。
Occelliさんのブースで、チーズの試食。
チーズの美味しいことは勿論で,当店でも数種類扱わせて頂いてます。
Occelliさんは郷土のチーズで一度失われたものを再生させ、尚より良い洗練されたものに作り上げると言う地道な行動はとても評価が高く、それでいてお客様に接するのが大好きという方です。

小さな町の市の移動販売ワゴンには、自ら立つこともしばしばだそう。
東京のチーズ商社のFさんから紹介頂いていたので、お会い出来、お話させて頂き感激です。

 


まず初日の予定は3時からLaVazzaのコーヒーを使ったデザートの講習に参加。
(参加費用は1人12EUR)
実際に裏で作っているのを画像で見せ、試食・質問と楽しい講習でした。
(当店はIllyですが)

 

このような講習がこの日だけでも約40行なわれていますが、日本からインターネットで 予約したのですが、他に受けたい講習もありましたが満員になっているのも多かったです。

                 講習後もブースを回ります。

夕食は、すっかり疲れてしまっているので、トリノ市内に戻って、レストランを探すのも辛いので、ランチと同じ、エノテカのブースへ。

昼のような混雑は無いのと、慣れたこともあり、ワインを選ぶ余裕はある。

 


10月29日、朝1時間違う。(サマータイム)

昨日チェックインした時、時計の針が2時 ⇒ 3時と絵がフロントに置いてあったのを 思い出す。
29日のAM2時がAM3時に変わっていたのだ。(サマータイムの終了)
ちょっとしたマジックにかけられたような・・・。

今日は12時から、エミリア・ロマーニャ州の星付きレストランのシェフの「創作料理」の 講習。
(1名25EUR)
明日、伝統料理の講習を予定しているので、対比として敢えて「創作」を選びました。

 

レストランで研修中の日本人が2名スタッフとして参加。
終了後話すと、日本には帰らず、イタリアで骨を埋めるつもりだと。
良くイタリアで日本人の研修生に会うが、皆帰国してからのことがとても気になっている。
当然と言えば、当然だが、このような「骨を・・・」と聞くと、頑張るなぁと感心します。

この講習はイタリア語と英語をイヤホーンで選択して聞くことが出来ます。
シェフの話はやたら有名人の名前が出てきて、自慢話がちょっと長すぎるかな・・?

卵に山羊のミルクを注射器を使って、白トリュフを贅沢に使う料理です。
タップリの白トリフで、これは楽しみと思っていたら、我々4名は中段に座っていたのだが 1皿しかない。
すでに試食を終えてる人もいる。
ステージでは最後の挨拶まで。

多分60名位の受講者に対して、40皿しか無かった様に思えます。
流石に怒りましたね。サービスの責任者はもちろん、シェフにも。
一番腹が立ったのは、間違いは仕方ないけど、足りないのを知っていて、 ミスを認めず、何とか終わらせてしまおうしていたことです。

他国の人でもクレームを付け、時間が無いから帰るけどと怒って帰る人も。
そんなやり取りしてるうちに、残っている人数分の料理を作るからということに。
ただ、料理の手順から考えて、短時間であの熱い料理を出すのは不可能ではと。
彼らも必死になって、やり遂げ、白トリュフをタップリかけますからと。
ただ案の定、急いで作ったので熱い状態は無理で、白トリュフの香りも薄かった。

その後、シチリアのノートにある1892年創業の「カフェ・シチリア」のCorradoさんに会う為、氏の講座の部屋へ。
カフェ・シチリアのドルチェには添加物・着色料・保存料は一切使われず、季節・素材にこだわるカフェです。
(小さな工場もあり世界に輸出されています)

講習を受けたかったが、人気があってすぐに満席に。
講義が終わったばかりで、講義を受けた方〃が興奮しているのが分かります。
チーズ商社のFeのHさんからシチリアまで連絡していただいていたので、お話させて頂け、とても感動しました。
是非、今度はシチリアのノートに伺いたいです。

BERLUCHIのブースでスプマンテのサラマナザールを開けてサービス。
当店でも定番のスプマンテで、中で試飲させて頂く。

  

その後、たまたま疲れて座っていると、そこがシチリアの生協のブースだった。

座っているうちに人がどんどん増えてくる。
どうやら表彰式が始まるようだ。
いかにシチリアの農民がマフィアに虐げられ、 搾取されてきたかの映像が流れている。

その中で高校生や年長の組合長らしき人が表彰されてゆく。
「我々はこれから、量だけを作るのではなく、ピエモンテのようにドルチェット・バルベーラ・ネッビオーロのような葡萄つくり、シチリアにこそ良い農作物が有ると言うように変えていかねばならない」と言うようなことの挨拶をしていたようだ。

最近まで、マフィアとの闘いがあったようで、驚きでありショック。
確かに、ナポリ近郊のイスキア島の家具店経営の友人がナポリには家具を卸さないと言っていたことを想い出す。
主にフィレンツェ・ボローニャ・パルマ・ミラノにセールスに行くと言う。
ナポリのレストラン等は、マフィアが隠れオーナーだったりして、代金をもらえないケースが多いそうだ。

今日も昼・夜食事は会場内のエノテカで。
すっかり人疲れしてしまって、ホテルに戻ってから、レストランを探す気力もないし、 このエノテカなら、ワインは保証付きですし。
ただ、著名なワインは売り切れていましたが。

10月30日 最終日はCesaleさんの講習

今回の旅の大きな目的はLEVIさんをお見舞いすること、CESALEさんの講習を受けることです。
CESALEさんのレストランには2度お伺いしていますが、 料理があまりにシンプルでビックリ!
味の深さにまたビックリ!

ワインリストは Baroli Barbareschi (バローロ・バレバレスコの複数)
つまり、地元ピエモンテのワインしか置かないと言うことで、またビックリでした。
我々にとっては最高の料理人です。

講習のタイトルは「Ave Cesale!」(Cesale登場!)
講習は昨日と同じブースで。
入ると、昨日お皿が足りないと揉めたマネージャーが。
我々を見つけるとギョッとなったが、「昨日座った席でなくて良いのか?」とニャッと切り返すあたりは流石。
思わず我々もニャッと頬が緩む。(昨日やや後ろの席でお皿が足りなくなったので)

メニューはレバーとポルチーニのサラダ、ミートボール、ポレンタ、ノチョーレのデザート

   

シンプルで、深い味わいは、さすがCesaleさんのお皿です。
「色々活躍されているスター料理人もいるが、自分は地元の食材・ワインを大事に、シンプルに料理するだけ」だと。

「私はアーティストではなく単なる料理人であり、農家であり、画家です」と淡々と話す氏。

  

同行したK子さんも今回イタリアへ来て、この講座と料理を味わえただけで、幸せですと 言われ、自分達が誉められたような嬉しい気分に。
Cesareさんとも挨拶することが出来、会場を後にして15:50発のMILANO行きの 列車で移動。

2日半、お世話になった会場を後に、 人の多さで疲れたりもしたが、お会いしたいと願っていた方々にもお会いできたし、他の生産者の方ともお話し出来、色々な食材を試すことも出来、やはり来て良かったという気分と名残惜しい気分です。



ところで、この「スローフード」ですが、我々が出会ったのは1999年Braの本部に伺って 知ることが出来ました。
当時の「スロー」の副編集長がお話をしてくれ、「札幌にも支部を作らないか」と云われたのですが、我々も良く理解出来ずにいました。

日本に戻り、日本には名古屋と東京に支部があることを知り、東京の支部にお世話になりました。
ただ、札幌に戻ってから「スローフード」のことを皆に伝えるのですが、我々の表現も悪かったので、あまり上手く伝わらなかったかもしれません。

2000年に島村奈津さんの「「スローフードな人生」を読んだ時の嬉しさ・感動は今でも鮮明に 覚えております。
「フィレンツェ連続殺人」を読んで、凄い人が居るなぁとと感心していたのですが、 「「スローフードな人生」は良くぞ書いてくれた、良くぞここまで取材してくれたと一気に読み終えました。
また、何冊か購入して人にプレゼントしたりもしました。
「スローフードな人生」が出版されてから、世間での認知度もアップし、マスコミでも 「スローフード」「スロー」という言葉がさかんに使われるようになりました。

現在は支部が日本にも沢山出来、我々は東京・杉並から東京・築地に替わりました。
簡単に「スローフード」を説明すると(簡単には無理かもしれませんが)

@ 守る  消えゆく恐れのある伝統的な質の高い食品・郷土料理を守る。
A 支える 質の良い食品を提供してくれる小生産者を支える。
B 教える 子供たちを含め、消費者に味の教育をする。

まずはこの3点が目的ですが・・・・。
一度、島村奈津さんの「「スローフードな人生」をお読みになることをお勧めします。

ミラノ着。
ミラノは今回1泊だけなので、中央駅に近いホテルを指定していました。
ミラノでの目的は、本を買うことと白トリフの仕入れ。
まずは、ホテルで情報を貰う。

いつも行くGENVA駅のきのこ屋さんを予定していたのだが、ホテルのフロントと常連さんらしいご婦人からも、駅近くの店を紹介される。
少し迷い、道を聞きながら、店に着くと、ちょうどシャッターを閉めたところですが、 交渉してみると、開けてくれました。
白トリフはもちろん、黒トリフ・ポルチーニ/編み笠茸等、さすがきのこ専門店。
価格はやはり高いが、時間的にここで仕入れるしかない。

夕食はミラノに来ると立ち寄るワインバーに。
予約なしで行って不安でしたが、相変わらず込み合っていましたが、上手く席が空く。
昨年暖かいサービスと味も良く今年も来たのだが、昨年の話をしたら覚えていてくれた。

今日はフリウリのスプマンテ、そしてトスカーナの赤ワイン。
ワインも良し、料理も軽い仕上がりでセンスも良くホッとします。
こうして今回の旅の最後の晩餐も終わり、明日は帰国です。

今度の旅はスローフード協会のサローネ・デル・グストが目的でしたが、
ぎっしり宝物が 詰まった旅になりました。
やはり人と出会うことの素晴らしさを感じ、素晴らしい生産者の方との出会いも勇気を与えてくれるものです。